『書物に見る海外交流の歴史~本が開いた異国の扉~』静嘉堂(せいかどう)文庫美術館は音声ガイドの力をお借りして。
2019年6月29日(土)
今まで色々なところで借りてまいりました音声ガイド、3つほど種類があるなと思っております。
「キャラなりきり系」「プラスアルファ提供系」「寄り添うお役立ち系」です。
今回のガイドは3つ目の「寄り添うお役立ち系」です。見るべきポイントはどこにあるのか、どのような意味のある存在なのか丁寧に説明してもらえます。
とても助かりました。
挿絵がある書物ならまだしも、漢字だけがずらりと並んだものをどのように吟味すればよろしいのか不安だったのです。
オランダ語・英語の辞書ともなれば言うまでもありません。
音声ガイドをお伴に1時間半、ゆっくり書物の世界に浸れました。(音声ガイドは30分ほどのものです)
・・・
・・・のような不安を昔の人も感じていたようです。
『毛詩』
室町時代の儒教の教科書として使われていたもので、当然のように漢文です。書物といえば漢文で書かれてしまっています。それをどんな風に読んでいたか、その一端が垣間見られます。
漢文のヨコに何やら色々マークが付けられているのです。昔国語の漢文の授業で教わった「レ点」のようなものです。カタカナで小さく漢字の読み方も書いてあります。
昔の人も同じ工夫をして一生懸命読んでいたんだな、と親近感が湧いてまいります。
『倭名類聚抄』
平安時代の女性のために作られた漢和辞典です。
当時は宮中に女性が大勢働いておりましたが、キャリアアップには”学”が必要で”学”といば漢字という時代。
紫式部、清少納言といった方々がおられたわけですから、きっと「あの人たちを見なさい!あなただって頑張れば云々」と言われて勉強させられて・・・
昔の人も同じような苦労をしていたんだな、と親近感が湧いてまいります。
などなど。
あまり明るくない分野の展示ではありましたが、音声ガイドに導いてもらえたおかげで楽しく見ることができました。
なにこともせんたつはあらまほしきものなり。