本に描かれた「挿し絵」を眺めるのも読書の楽しみです。
2019年6月29日(土)
挿し絵がありますと本の楽しみが倍増いたします。
『植学啓原』
ヨーロッパの植物学を紹介した江戸時代の本です。詳細なイラスト付きで図鑑のような見応えです。
パンフレットに載っておりますこのページ、左の「水仙」と右下の「鐘空木」は分かりました。
右上の「都苦抜涅」って?「都が苦しい抜く涅槃の涅」って何でしょう。
横にフリガナがあります、”ツクハ・・チ”?・・・”チ”ではなくて”ネ”?
ツクハネ
↓
ツクバネ
↓
つく羽根
(右下の花の絵と合わせて)
↓
衝羽根空木(ツクバネウツギ)のことだ!!
・・・・という具合に推理して楽しんでおります。
ところで私は、漢字で書かれておりますとついその「字の持つ意味」で考えようとしてしまいます。
「衝羽根」と書かれますと「羽根つきの羽に形が似ているからですね」と見当がつきます。
当時、江戸時代は「表音文字」としても漢字が使われていたンだなあと違いに気がつきました。
「パソコン」でしたらどのように書かれていたでしょう?
「波素魂」とか?
何だか格闘技の必殺技の名前みたいですね。かめはめ波ー!
・・・という具合に想像して楽しんでおります。
『六物新志』
6種類の薬物を紹介した江戸時代の本です。詳細なイラストが描かれてしまっている本です。
薬物というのが「木乃伊(ミイラ)」とか「一角(ウニコウル)」とか。
薬?
展示されていたのは「人魚」のページでした。
雄と雌?東洋風と西洋風?
この書物が展示されているコーナーで、他に並べられている書物が、
『解体新書』(医学)『和蘭天説』(天文学)『紅毛雑話』(西洋の道具紹介・エレキテルなど)といった最先端な科学について書かれているものでした。
そういった書物と共にあり、同じように挿し絵も描かれていましたら、信じてしまいそうです。
異彩を放つ一冊です。
『紅毛雑話』
パンフレットに載っておりますこのページ。「顕微鏡」に見えます。
私が展示で見ましたのは「エレキテル」のページでした。
日によって違うページが開いているのでしょうか?
ぜひ全てのページを見てみたい本でした。
徒然草のように復刻本が展示されていましたら!!