福袋 「買う」トキメキを 買う袋

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福袋は、物欲が今ひとつ湧かない時に買う、年始の風物詩です。

福袋特有のパンパンに詰まった袋を

肩にかけ手持って帰るその道すがら

高揚感を感じます。

人類が遥か昔に狩猟で暮らしていた頃に

意気揚々と獲物を捕ってねぐらへ向かう帰り道も

こんな気分を感じていたのかなと想像したりもします。

DNAに染み付いているかのようです。

その後

中身を確認し

「欲しかったもの」と微妙にズレているため

買ったことを後悔することも多々あります。

最近の福袋は

あらかじめ入っているものやサイズがわかるのですが

それでもやはりそのものズバリはなかなか出会えません。

これを一概に

「だから福袋を買うのは無駄なのだ」

という気にはなれません。

買う際に楽しい気分を味わえたのだから

娯楽として十分機能している

ということもあります。

それ以上に

この「微妙なズレ」を感じさせて

本当に欲しいものを自覚させてくれる

という効果があると思っているからです。

物欲を喚起する効果とでも申しましょうか。

普段、節約倹約に腐心しておりますと

買い物する際に慎重になりすぎ

結局は「買わないでもいいや」という選択をしがちになります。

「欲しい」を簡単に「あきめられる」ようになってくるのです。

どんどんと自分の中の「何かを欲する力」

ある意味、生命力とでも言える力が

弱まっていくような気がして、それはそれで心配なのです。

全くのゼロから「何が欲しい?」と考えるよりも

実際にあるものを前にして「これはどれくらい”欲しい”に合致してる?」

と考える方が判断しやすいですよね。

自分の「欲しい」を感じるセンサーを鍛えてくれる袋、福袋です。

「欲しい」と感じられるのって大事だと思うのですけれども。

欲望なくして行動なし!

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