東京国立博物館で『松方コレクションの浮世絵版画』展と『根付 高円宮コレクション』

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『大谷徳次の奴袖助』東洲斎写楽

『松方コレクションの浮世絵版画』展

国立西洋美術館『松方コレクション』展との連携企画です。

松方コレクションは西洋画が有名ですけれども、浮世絵も約8000点も

海外に流出してしまった作品を、買い戻して下さっていたのです。

ありがとうございます!!

9月23日まで4期にわけて展示されておりました。

第4期には東洲斎写楽の『大谷徳次の奴袖助』が展示されておりました。

 

葛飾北斎『百物語・さらやしき』

北斎さらやしき

 

喜多川歌麿『當時全盛美人揃 兵庫屋内花妻』

歌麿美人揃

 

鳥文斎栄之(ちょうぶんさいえいし)『鳳凰舟での美人合』

鳳凰舟での美人合

”歌麿に対抗する美人画家として活躍しました”

と、画家紹介に解説されておりました。

歌麿といえばそれだけで、浮世絵に詳しくない私にも、喜多川歌麿のことだとわかります。

西洋美術でミケランジェロといえば、あのミケランジェロを示しているように

音楽でモーツァルトといえば、あのモーツァルトを示しているように。

パソコンの漢字変換でも

「きたがわうたまろ」と打てば「喜多川歌麿」とすぐ変換されます。

一方

「ちょうぶんさいえいし」と打っても「鳥文斎栄之」とすぐ変換されません。

当時、同じくらい活躍していても

一方は名前だけで、

例えば

ミケランジェロさんは歴史上何人もいらしゃるでしょうが

美術系の文脈で「ミケランジェロ」と出てきたらもう100%あの「ミケランジェロ」のことを指している様に、

美術系の文脈でなくても「ミケランジェロ」とネーミングされた物が発売されたら「あのミケランジェロにちなんだのね」と思われる様に、

一方はフルネームでなくても名前だけで「ああ、あの人!」と固定されるのに

他方はそうではないのか・・・

わざわざ「~ではない方(ほう)」みたいな紹介をされるのか・・・

当時のご本人たちには知るよしもないことだったでしょう。

その分岐点は何なのかなと考えてしまいます。

何とは無しにそこはことなく時の流れの残酷さを思います。

時間というろ過装置をくぐり抜け

どれだけ時の流れに負けず残っていられるか。

残ってこられたものが

ホンモノ。

根付

東京国立博物館の本館にて『根付 高円宮コレクション』が展示されております。

このコレクションが展示されているお部屋も

東京国立博物館には滅多に見られない豪華さです。

東博根付の部屋

博物館っぽくない!

そこに展示されている「根付」はサイズ感もあって、宝石の様です。

ユーモアもある宝石。

『あっち行け』Go Away!

根付あっち行け

雌鶏の羽が手の形をしていて、雄鶏を追い払ってます。

あっち行って!

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